中小企業のサステナビリティで業績アップ!事例5選と成功の共通点

サステナビリティは「良いことだけど儲からない」と思われがちです。しかし、中小企業でも自社に合った戦略を練ることで、企業価値を高めた事例が存在します。

この記事では、サステナビリティで成果を出した5社の事例と共通点をわかりやすく解説します。「自社で何から始めればいいのか」迷っている方に必見の内容です。

こちらの内容は、YouTubeでもご覧いただくことができます。

目次

事例① 三州製菓:女性活躍推進で30年以上の黒字

お菓子の製造・販売を行っている三州製菓は、顧客の9割が女性にもかかわらず、管理職は男性ばかりという「ターゲットと意思決定層の乖離」という矛盾を抱えていました。

この状況を打破するために、下記3つの取り組みを実行しました。

①男女同数昇進のルール化
 男性管理職を登用する場合、同じ人数の女性管理職も必ず登用するルール
②互いの業務を補完する「一人三役」制度
 一人分の仕事以外に、さらに2つの業務を習得し、互いにカバーし合う制度
③会議での「男性発言禁止タイム」
 会議終盤で、あえて男性が発言してはいけない時間を設けるルール

といった制度設計で女性視点を事業へ接続していきました。

結果として、女性社員が提案したパスタスナックは、売上の約2割を占めるヒット商品に成長しました。経常黒字も30年以上継続し、女性管理職比率は政府目標を先行して達成しています。

学び:社内からの反発はありながらも、本質を見極め、時には強引にでも推進した点

引用:三州製菓株式会社HP(https://shop.sanshu.com/products/pasta-recommend002

事例② 若松屋:脱プラ対策で利益増加

花火メーカーである若松屋は、コロナ禍の外出自粛により売上が激減。未曾有の危機に直面する中、「お客様に選ばれる理由」を作るために目をつけたのが、花火の「包装材」でした。

一般的な家庭用花火は大量のプラスチック包装材が使用されていますが、若松屋はプラスチック包装をすべて「紙製」に切り替えるという大胆な決断を下しました。

その結果、この「エコパッケージ花火」は飛ぶように売れたのです。注目すべきは、売れた理由が単に「環境に良いから」だけではなかったという点です。

・パッケージ内に余裕が生まれ、内容量が約20%増
・廃棄時の分別が不要で顧客体験が向上
・小分け作業の削減で製造工数の改善、小型化で物流効率UP

環境にやさしいだけではなく、使いやすさやお得感などの顧客メリットを同時に設計したことで、販売と収益性を両立しています。

学び:「環境配慮・顧客ベネフィット・コスト構造」の三方良しの打ち手を選択している点

引用:若松屋HP(http://hanabi-wakamatsuya.co.jp/eco-package-fireworks/

事例③ 鍋屋バイテック:資格手当で人的資本経営を体現

「社員に研修を受けさせているが、現場の士気が上がらない……」

そんな悩みを抱える企業が多い中、岐阜県関市の機械部品メーカー、鍋屋バイテック(NBK)は、驚くべき方法で社員の自発的な成長を引き出しました。

同社が導入した「マイスター制度」は、取得した資格に応じて、毎月の給与に資格手当がダイレクトに加算される仕組みです。

たとえば、漢検2級なら月1,500円、中小企業診断士なら月1万円、技術士なら月2万円といったルールです。対象は約200種類以上におよび、テキスト代・受験料・交通費もすべて会社が全額負担。さらに入社前に取得していた資格まで手当の対象になるという徹底ぶりです。

ある社員は21個もの資格を保有し、毎月4万3,000円、年収換算で約50万円もの手当を手にしています。自分の努力が翌月の給与明細に数字で現れる。この「即時的かつ確実なリターン」が、社員の学習モチベーションを劇的に変えました。

これだけ手当を出すと、会社としてはコスト増を懸念しがちですが、結果はその逆でした。

・売上は約3倍へ(2002年:41億円 → 2022年:135億円)
・点と点が線につながり、新素材ネジなどの新製品開発が加速

学び:研修を受けさせるではなく、学びが報われる設計にしている点

引用:鍋屋バイテック会社HP
(教育制度・福利厚生|NBK【鍋屋バイテック会社】採用サイト | NBK【鍋屋バイテック会社】

事例④ 大川印刷:脱炭素経営によって企業価値向上

株式会社大川印刷はサステナビリティ経営のトップランナーとして、全国から視察が絶えない企業です。

印刷業界は今、デジタル化による紙離れと激しい価格競争の渦中にあります。同社もその煽りを受ける中で、「どうすれば安く刷れるか」ではなく「どうすれば地球に負担をかけずに刷れるか」という問いに向き合いました。

まず、大気汚染の原因となる溶剤を排除した「石油系溶剤0%インキ」へ全面的に切り替え、人にも環境にも優しい印刷を実現しました。次に、使用する紙をすべて適切な森林管理の証である「FSC認証紙」に標準化。さらに、自社での太陽光発電とクリーン電力の購入を組み合わせ、事業活動の「再エネ100%」を達成しました。

FSC®認証紙とは?

国際NGOであるFSC(Forest Stewardship Council:森林管理協議会)が定める基準に従い、適切に管理された森林から生産された木材を使用して製造された紙です。

これらの取り組みにより、同社で印刷を行うこと自体が「顧客企業の脱炭素アクション」につながるという独自の価値が生まれました。その結果、崎陽軒やパタゴニアといった志を共にするパートナーから選ばれる企業へと進化し、業界が苦しむ中で過去最高益を記録しています。

学び:環境価値を積み上げることで、価格競争に巻き込まれない指名受注を獲得した点

引用:大川印刷HP(https://www.ohkawa-inc.co.jp/

事例⑤ 陣屋:赤字旅館がDXで再生

最後5社目は、DXで倒産寸前からV字回復を遂げた老舗旅館 陣屋 です。

2009年、バブル崩壊後の売上低迷により陣屋は7,000万円の赤字を出し、借入金は10億円にまで膨らんでいました。現場では、重要な情報が個人の中に散在していたことで接客の質が低下し、クレームが相次ぐ事態に。従業員は1日の8割をバックヤード業務に追われ、肝心の接客に時間を割けない本末転倒な状態でした。

資金も時間もない中、同社はクラウドサービス Salesforce を活用し、自社の作業改善を図ります。一度にすべてを変えるのではなく「小さく始めて拡張する」戦略をとりました。

・業務のデジタル化
 予約・勤怠・原価・連絡事項を順次システム化し、情報の属人性から脱却
ナンバープレート認識
 駐車場のカメラで顧客のナンバープレートを認識し、リピーターを特定して社内に通知する
人感センサーによる清掃最適化
 浴場にセンサーを設置し、入浴人数に合わせて清掃通知が飛ぶ仕組みを構築

これらによって、半分の人員でオペレーション可能になり、本来注力すべき「おもてなし」の質が向上。

結果、売上は2009年の2.9億円から、2018年には6.1億円へと倍増しました。

特筆すべきは、この利益を従業員へ還元した点です。効率化により人件費率を25%削減し、業界平均が約280万円とされる中、平均年収を288万円から約400万円へ引き上げました。さらに宿泊業では異例の「週休3日制」を導入するなど職場環境を抜本的に整えたことで、33%だった離職率は数%にまで低下しました。

学び:DXを単なるIT化で終わらせず、浮いた時間を「顧客価値」と「従業員の幸福」に再投資した点

引用:陣屋HP(https://jinya-inn.com/

成功の共通点:中小企業は「選択と集中」で勝つ

ここまで5社の事例を紹介してきました。いずれの企業も、サステナビリティの取り組みを単なる社会貢献に留めず、着実に業績向上へと結びつけていることがお分かりいただけたはずです。

では、なぜこの5社はこれほどまでに成果を出すことができたのでしょうか?

実は、これらの企業にはある1つの明確な共通点があります。それが「選択と集中」です。

中小企業は大企業のように、ヒト・モノ・カネといったリソースが潤沢にあるわけではありません。サステナビリティという概念は非常に広範です。あれもこれもと手を広げすぎると、ただでさえ限られたリソースが分散され、いつまで経っても目に見える成果が出ません。

またサステナビリティの取り組みは、本来、成果が出るまでに時間がかかるものです。だからこそ、手応えを感じられない期間が続くと、現場のモチベーションは下がり、取り組み自体が風化してしまいます。

一方で、取り組むべき課題を自社にとって最も重要な1点に絞り込めば、そこにリソースを集中投下できます。

三州製菓:女性活躍
若松屋:脱プラ対策
陣屋:DXによる効率化

このように取り組む課題を研ぎ澄ませることができれば、中小企業でも短期間で成果が出やすくなります。

どんなに小さな成功体験でも構いません。「自分たちの取り組みが会社に良い影響を及ぼした」という実感が得られれば、その後の社内浸透や取り組みのスピードは格段に加速します。

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ただ、どのように取り組む課題を選定するのか分からない方もいるでしょう。自社だけで課題を特定することが難しいケースもあります。

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