赤字が続き、資金繰りに頭を抱えている経営者は少なくありません。
「出張を減らす」「接待費を抑える」といった変動費の削減は一時的な効果にとどまり、根本的な改善にはつながらないケースが大半です。
そこで注目すべきなのが 固定費の削減 です。オフィスの家賃、電気代、包装材、人件費など毎月必ず発生するコストを見直すことで、キャッシュフローは大きく改善します。さらに最近では、省エネ化やペーパーレス化など、削減施策がそのまま「サステナビリティ経営」につながるケースも増えています。
本記事では、経営者がすぐに実践できる5つの固定費削減方法 を、具体事例を交えて解説します。
キャッシュフロー改善と企業価値向上を同時に実現したい経営者の方は、ぜひ参考にしてください。
こちらの内容はYouTubeでもご覧いただくことができます。
固定費削減が赤字脱却の第一歩
資金繰りが厳しいときに効くのは、変動費の我慢ではなく、毎月必ず発生する固定費の構造的な見直しです。
家賃・人件費・電力・印刷・通信などの固定費を一度下げれば、効果は積み上がり続けます。
変動費の削減(出張を1回減らす等)は持続性が低く、測定や意思決定のコストも嵩みがちです。まずは固定費です。特に販管費と、性質的に固定費に近い売上原価の中身から着手します。
ポイントは下記です。
・毎月発生する支出に絞る(家賃・電力・印刷・通信・外注固定契約 など)
・意思決定や運用の“手間”が増えない施策を優先
・サステナビリティと両立する打ち手は評価向上にも効く
設備・資材コストを削減する方法
LED電球への切り替え
ここ10年でLEDの省エネ性能は大幅に進化しています。古いLEDや水銀灯・蛍光灯からの切替だけで電気代を大きく圧縮できます。
ある製造業の事例では、水銀灯からLEDへ変更し、年間16万円の電気代が2万円まで低減したケースもあります。CO₂排出量も下がるため、環境面の訴求にも直結します。

簡易的な実施ステップは下記です。
- 全拠点の照明台帳を作る(器具種類・設置数・稼働時間・電力)
- 古いLEDを含む全更新での削減効果と回収期間を試算
- 高稼働エリアから優先導入(投資回収のペイが速い順)
- 導入後は稼働時間の見直し(在室/人感連動など)で追加改善
包装材の見直し
商品を扱う企業では、1点あたりの包装材コストを1円下げるだけでも、年間100万個出荷なら100万円の削減になります。
実例として、洗剤容器のスリム化でプラスチック使用量を54%削減した例や、花火の小分け包装をやめて作業を簡素化し、資材費・人件費・保管スペースを同時に圧縮、さらに本数を60本→80本へ増やせた例があります。

引用:花火若松屋HP(https://www.hanabi-wakamatsuya.co.jp/eco-package-fireworks/)
すぐに見直せるチェック観点は下記です。
- 外装だけでなく「内装・小包装」まで対象化
- 資材単価だけでなく「詰替性・作業工数・置き場」も同時に評価
- スリム化で物流効率(積載量向上/保管スペース縮小)を狙う
- ユーザー体験(開封性・廃棄のしやすさ)改善とセットで考える
オフィスと物流の効率化でコスト削減
書類の電子化・ペーパーレス化
印刷代・紙代の削減はもちろん、保管棚やストックスペースの縮小が家賃(面積)圧縮に効きます。契約書・稟議・経費精算などがデバイスで完結できれば、業務スピードも向上します。また、オフィスの見栄えが良くなることで社外への印象も改善します。
負担を増やさない順序での始め方は下記です。
- 紙が多い書類TOP5を洗い出す(件数×枚数×頻度で優先度付け)
- クラウド契約/ワークフローを先に導入(郵送・製本・保管を削減)
- 段階移行(新規分は電子、過去分は必要時スキャン方式)
- 保管規程とバックアップを明確化(監査・法令対応の不安を潰す)
モーダルシフトの導入
トラックから鉄道・船舶へ輸送手段を切り替えると、大量輸送で人件費・燃料費を抑制できます。貨物列車26両分が10tトラック65台分に相当するため、単位コストは大きく低下します。CO₂削減効果も高く、対外的な評価にもつながります。

検討ポイントは下記です。
- 対象ルートの選定(定期・大量・長距離で効果大)
- 中継/ドアツードアのリードタイムと在庫戦略の見直し
- 鉄道/船社との運行スキーム・費用比較(繁忙期の安定性も確認)
- 切替後のCO₂削減量を可視化して社外発信
人材活用とアウトソーシング戦略でキャッシュフロー改善
人件費は最大級の固定費。SNS運用などを学びながら内製すると、学習コストと工数が膨らむだけではなく、担当者の退職リスクも常に存在します。
たとえば、担当2名(年収各500万円)で運用すると、SNSだけで年間1,000万円の人件費インパクト。成果が出なければ、元も子もありません。そのため、外注活用は下記のように考えることも選択肢の1つです。

・外部リソースを活用して成果が出しやすい領域は積極的にアウトソーシング
・月単位で予算を増減できるので、キャッシュフローの管理がしやすい
・社員は「売上・利益を生む業務」へ再配置(固定費の生産性を最大化)
・委託範囲とKPIを明確化し、社内ナレッジは最小限で吸収
まとめ|固定費削減でキャッシュフロー改善と企業価値向上
赤字脱却には、変動費の我慢ではなく、固定費の構造改革が効きます。LED化、包装材見直し、書類電子化、モーダルシフト、外注活用は、いずれも即効性と持続性を両立する打ち手です。
導入順序の目安は下記です。
- 効果が得られやすい×工数が増えない順に着手
- 一度に広げず、成功確率の高いテーマを一つずつ確実に実装
- 効果は金額と社会的インパクトの両輪で可視化し、社外発信のネタに活用する
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