「サステナビリティ経営は、どうせコストばかりかかって利益にならない」—— そう思っていませんか?
実は現在、環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点から経営に取り組むことで、利益を増やしている企業が急増しています。大企業だけでなく、中小企業でも実現できる方法が、すでに存在しているのです。
本記事では、
・サステナビリティ経営がなぜ利益直結なのか
・CO₂削減や多様性推進など、具体的な施策がどう売上やコストに影響するのか
・実際に成果を上げた企業の成功事例
をわかりやすく解説します。
「経営戦略」としてのESGを考えたい方、自社でどこから着手すればよいか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
以下の動画では15分で見ることができます。
サステナビリティ経営はなぜ利益につながるのか?
まず、今回ご説明する「利益」とは、「経常利益 」を指します。
最終的なキャッシュを決める「経常利益」が企業経営上、最も重要な利益指標になります。

サステナビリティ経営は単なるCSR活動ではなく、売上増・コスト削減・リスク回避など、経常利益を増やす経営戦略です。
環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)の3つの観点から、利益につながる構造を見ていきましょう。
環境(E) | CO₂削減・カーボンニュートラルが利益を生む理由とは?
炭素税や排出量取引制度の導入により、CO₂排出を抑える取り組みが企業の利益を守る時代になりました。
さらに、大手企業がスコープ3(取引先排出量)まで管理するようになり、環境対応の有無が受注可否に関わるケースも増えています。
そのため、中小企業も他人事ではない状況になっております。
また、LED照明やインバーター付きエアコンなどの省エネ設備導入は、初期投資こそ必要ですが、継続的な光熱費削減が可能。
つまり、環境配慮=コスト削減の構造がすでに成り立っています。
社会(S) | DEI(多様性)推進が商品開発と組織力を高める
DEIの推進が商品開発と組織力を高めます。
- DEIとは
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Diversity(多様性)、Equity(公平性)、Inclusion(包括性)の頭文字を取った言葉で、企業経営において従業員それぞれの個性を最大限に活かすことことでより高い価値を創出することを目指す考え方です。

よって、DEIは組織の活力を高め、商品・サービス開発にも大きな影響を与える経営施策と言えます。
顧客ニーズが多様化する今、従業員の多様性は気づき・発見力の強化に直結し、それが売上や顧客満足度向上に結びつきます。
ただし、多様化をもたせることが目的化してしまうと逆効果になるため、DEIを“経営戦略”として活かす視点が重要です。
ガバナンス(G) | ガバナンス強化が“倒産リスク”と“信頼喪失”を防ぐ
経営ガバナンスが脆弱な状態では、不正・コンプライアンス違反・ハラスメントなどが発生しやすく、企業価値を一瞬で失います。
2024年にはコンプライアンス違反による倒産が320件(東京商工リサーチ調査)で過去最多を記録。税務処理や情報管理など、基本的な統制の欠如が背景にあります。
ガバナンスは、大企業だけでなく中小企業にとっても「利益を守る基盤」。社内研修や情報管理体制の整備が、リスク最小化の鍵を握ります。
サステナビリティ経営の成功事例【企業別に解説】
三州製菓|女性登用で商品開発と収益性向上を実現
三州製菓では、顧客の9割が女性であるにも関わらず、女性管理職比率が低かったことに課題意識を持ち、男女平等の昇進制度を整備しました。
この取り組みにより女性視点が商品企画に活かされ、「パスタスナック」というカリカリ食感でお菓子にもおつまみにもなる新商品が誕生。これが主力商品へと成長。
また、職場満足度の向上により離職率が低下し、採用・教育コスト削減 → 経常利益向上という好循環も生まれました。
コストコ|多様な従業員が売上増に貢献する仕組み
米国のコストコは、多様な背景を持つ従業員の採用を戦略的に行っています。
スタッフの多様性により、地域・文化に合わせた品揃えや売場改善が進み、現場主導で顧客ニーズに応える体制を構築。これが売上向上に直結しています。
DEIの取り組みに対し一部の米企業で後退が見られる中、「利益に貢献しているから継続する」という姿勢が、「多様性+経済性」の両立モデルとして注目されています。
サステナビリティ経営を成功させるには「自社に合った戦略」が不可欠
他社の取り組みをそのまま真似するだけでは、成果は出ません。
成功している企業は、「自社の強み」「業種特性」「顧客像」などを丁寧に分析し、経営資源の配分と優先度を見極めたうえでESG戦略を設計しています。
サステナ経営とは、あくまで「経営戦略の一部」。本質は“どう利益につなげるか”であり、それを明確にできているかが勝敗を分けます。
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