サステナビリティの取り組み30選|企業が今すぐできる具体例を紹介

サステナビリティの取り組みと聞くと、お金や時間がかかる施策を思い浮かべる方も多いかもしれません。

もちろん、中長期の目標を掲げて本格的な施策を進めることは重要です。一方で、最初から大きな成果だけを求めると、準備に時間がかかり、社内でなかなか動き出せないことがあります。

ほな社長

そこで大切なのが、日々の業務に取り入れやすい小さなアクションです。実行しやすい取り組みから始め、社内に小さな成功体験を積み重ねることで、社員の納得感や次の行動につなげやすくなります。

本記事では、企業が今日から検討できるサステナビリティの取り組みを、「環境の取り組み」「働きやすさを高める取り組み」「企業基盤を強くする取り組み」の3分野に分けて30個紹介します。まずは自社で実行できそうなものを一つ選ぶところから始めてみてください。

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目次

コスト削減にもつながる環境の取り組み10選

コスト削減にもつながる環境の取り組み10選

環境分野の取り組みには、設備投資を伴うものだけでなく、運用ルールの見直しや日々の行動から始められるものもあります。

1. 空調温度を周知し、室温を適切に管理する

夏季と冬季の室温について社内ルールを決め、ポスターや社内チャットで周知します。設定温度だけで判断せず、室内に温度計を置き、人数、日射、熱を発する機器なども考慮しながら快適性と省エネの両立を図ることが大切です。

2. LED照明や省エネ性能の高い機器へ順次切り替える

照明や電化製品を一度にすべて交換する必要はありません。まずは故障や交換のタイミングに合わせて、LED照明や省エネ性能の高い機器を選びます。初期費用だけでなく、消費電力や使用期間を含めて検討すると判断しやすくなります。

なお、一般照明用の蛍光ランプは、種類に応じて2026年以降、製造・輸出入が段階的に禁止され、2027年末までにすべてが対象となります。販売や使用が直ちに禁止されるわけではありませんが、今後は在庫の減少に伴って取り扱いが縮小することを押さえておきましょう。

3. 社用車のアイドリングを減らす

配送や営業で車を使う企業では、停車中の不要なアイドリングを減らすルールを設けましょう。車内へのステッカー掲示や朝礼での共有など、運転者が思い出せる仕組みをつくることで、燃料使用量と排気ガスの削減につなげられます。

4. 会議資料や申請書を電子化する

会議資料をモニターやタブレットで共有し、申請・承認も可能な範囲から電子化します。紙代やインク代だけでなく、書類を探す時間や保管スペースを減らせるため、生産性向上の観点からも取り組みやすい施策です。

5. 宴会で「3010運動」を取り入れる

3010運動は、宴会開始後の30分と終了前の10分を、自席で料理を楽しむ時間にする取り組みです。幹事が開始時と終了前に声をかけるだけでも、会社の懇親会で発生する食品ロスを減らすきっかけになります。

6. 来客用の使い捨て容器を見直す

来客時に提供するペットボトル飲料を、ウォーターサーバーやピッチャー、繰り返し使えるグラスへ切り替えます。衛生管理や運用負担を確認したうえで、リユース容器のサービスを活用する方法もあります。取り組みの背景を来客者に伝えれば、自然な会話のきっかけにもなります。

7. エコバッグや再利用できる袋の使用を促す

店舗を運営する企業では、エコバッグの利用を案内したり、使用可能な紙袋を再利用したりする方法があります。顧客が参加しやすい形にすることで、環境配慮を身近な行動として共有できます。

8. 環境負荷に配慮した名刺を採用する

名刺を作り替えるタイミングで、再生紙や非木材紙などの素材を検討します。名刺交換の際に素材を選んだ理由を伝えれば、自社の姿勢を説明するきっかけにもなります。ただし、環境配慮をうたう際は、素材の由来や認証などを確認し、誤解を招かない表現を心がけましょう。

環境配慮を伝える際の注意点は、関連記事「グリーンウォッシュとは?2026年版『環境表示ガイドライン』と企業が取り組む5つの対策」で詳しく解説していますので、誤解を招かない表現を学ぶために、あわせてご覧ください。

9. 廃棄物の量と中身を定期的に確認する

事業所から出るごみを種類別に分け、量や構成を確認します。何が多く捨てられているかを把握できれば、発注方法、備品の使い方、分別ルールなど、改善すべきポイントが見えやすくなります。最初は対象となる場所や期間を限定して行うと負担を抑えられます。

10. 不用品を売却・譲渡する

使わなくなったオフィス家具や機器をすぐに廃棄せず、再利用、売却、譲渡が可能か確認します。廃棄物と処分費用を減らしながら、製品を長く使う資源循環にもつながります。PCなどを手放す場合は、データ消去や情報セキュリティの手順も忘れずに整えましょう。

働きやすさを高める取り組み10選

働きやすさを高める取り組み10選

多様な人材が無理なく働き続けられる環境づくりも、サステナビリティ推進において重要な要素です。業務効率と働きやすさを同時に見直していきましょう。

11. FAX中心の業務を見直す

FAXで行っている受発注や連絡を洗い出し、メール、クラウドサービス、電子データへの切り替えを検討します。紙の削減に加え、出張先や在宅勤務でも情報を確認しやすくなります。取引先との調整が必要な場合は、段階的に移行すると進めやすいでしょう。

12. 電子契約サービスを導入する

契約書の印刷、製本、押印、郵送にかかる業務を電子化します。契約締結までの時間短縮や、紙・郵送コストの削減が期待できます。導入時には、契約の種類、社内規程、本人確認、保管方法などを確認しておくことが重要です。

13. 社内コミュニケーションツールを活用する

チャットツールを使えば、案件ごとに会話と資料をまとめやすくなり、メールを探す時間や定型的なやり取りを減らせます。ただし、通知が増えすぎると負担になるため、利用時間、チャンネルの使い分け、メンションのルールを簡潔に決めておきましょう。

14. 生成AIで定型業務を改善する

議事録の要約、文章のたたき台、アイデア整理など、定型的な業務に生成AIを活用します。業務時間を減らし、社員が判断や対話など人にしかできない仕事へ時間を使えるようにすることも、持続可能な働き方の一つです。機密情報や個人情報の入力範囲、確認責任、利用可能なツールを社内で定めたうえで使いましょう。

15. フリーアドレスを試行する

座席を固定しないフリーアドレスは、部署を越えたコミュニケーションや、オフィススペースの効率的な利用につながる可能性があります。全社導入の前に、一部の曜日やエリアで試し、集中しやすさ、荷物の保管、席の確保といった課題を確認するとよいでしょう。

16. 時短勤務や柔軟な労働時間を整える

育児、介護、通院、自己研鑽など、社員の事情に合わせて働く時間を調整できる制度を検討します。時短勤務やフレックスタイム制度は、人材の定着や採用時の魅力づくりにもつながります。制度だけでなく、利用しやすい業務分担や評価方法も併せて整えることが重要です。

17. 育児休業を取得しやすい職場をつくる

育児休業制度があっても、業務の引き継ぎや周囲の理解が不十分では利用しにくくなります。男性社員を含め、必要な人が自然に制度を利用できるよう、対象者への案内、管理職への説明、引き継ぎの標準化を進めます。

18. 緊急時の子連れ出勤への対応を検討する

保育施設の急な休園などに備え、一時的な子連れ出勤を認めるか、在宅勤務へ切り替えるかなど、対応方針を事前に検討します。実施する場合は、子どもの安全、来客対応、情報管理、他の社員への配慮を含めたルールが必要です。

19. 旧姓を使用できるルールを明文化する

結婚などで姓が変わった後も、仕事上の名前を継続して使えるようにします。名刺、メールアドレス、社内表示など、使用できる範囲と手続き方法を明文化すれば、本人の負担を減らし、キャリアや人脈の継続を支えられます。

20. 会議に「全員発言タイム」を設ける

会議で発言する人が偏っている場合は、参加者が一度ずつ意見を述べる時間を設けます。会議前に論点を共有し、チャットや付箋でも意見を出せるようにすれば、話すことが得意ではない人の考えも拾いやすくなります。

企業基盤を強くする取り組み10選

企業基盤を強くする取り組み10選

人権への配慮、健康経営の推進、災害や不測の事態への備えは、企業が長く事業を続けるための基盤です。単なる福利厚生や防災活動ではなく、経営上の重要なテーマとして取り組みを検討してください。

21. 性別にとらわれない制服を検討する

制服を採用している職場では、性別でデザインを固定せず、本人が着用しやすい型を選べるようにします。現場での安全性や機能性も確認しながら、誰もが安心して働ける選択肢を整えましょう。

22. 多様な食習慣へ配慮する

社内イベントや会議で食事を手配するときは、アレルギー、宗教、健康上の理由、ベジタリアン、アルコールを飲まない人などに配慮します。参加者へ事前に希望を確認し、料理の内容を表示するだけでも安心感が高まります。

23. 定期的なキャリア面談を行う

上司と部下が定期的に対話する機会を設け、本人が目指すキャリア、現在の悩み、必要な支援を確認します。面談を評価の通知だけで終わらせず、成長を支える時間として運用することが、人的資本を大切にする第一歩になります。

24. リスキリングを会社として支援する

書籍購入、外部セミナー、資格取得、社内勉強会など、社員が新しい知識や技能を学ぶ機会を用意します。会社の事業戦略と必要なスキルを結びつけ、学んだ内容を業務で試せる場をつくることで、変化に対応しやすい組織を目指せます。

25. 受動喫煙を防ぐ職場環境を整える

社員の健康を守るため、敷地内禁煙や喫煙ルールの見直しを検討します。実施時には、関係法令や施設条件を確認し、対象者への周知と必要な支援を行います。健康施策として一方的に進めるのではなく、丁寧な説明を重ねることが大切です。

26. 自転車通勤を安全に促進する

自転車通勤は、日常的な運動の機会になり、自動車利用の抑制にもつながります。導入する場合は、駐輪場、通勤経路、保険、ヘルメット、交通ルール、雨天時の対応などを整理し、安全を優先した制度にしましょう。

27. 内部通報窓口を設置し、利用方法を周知する

ハラスメントや不正を早期に把握するため、相談・通報できる窓口を整えます。窓口を設けるだけでなく、誰が、どのような場合に、どの手段で利用できるのかを定期的に案内することが重要です。匿名性や通報者保護、調査手順については、法令と自社の状況に合わせて設計します。

28. 人権とアンコンシャス・バイアスを学ぶ

私たちは誰でも、経験や環境によって無意識の思い込みを持つ可能性があります。人権研修やアンコンシャス・バイアス研修を通じて、職場で起こり得る言動や意思決定の偏りに気づく機会をつくります。研修後に、採用、評価、会議、顧客対応など日常業務の改善へつなげることが大切です。

29. BCPを策定する

地震、豪雨、感染症、サイバー攻撃などで事業が中断した場合に備え、重要業務、連絡体制、安否確認、代替手段、復旧の優先順位を整理します。最初から完璧な計画を目指すのではなく、重要な事業と連絡方法を決めるところから始め、訓練と見直しを重ねましょう。

BCPのについては、関連記事「BCP対策(事業継続計画)とは?必要な理由・策定プロセス・企業事例まで解説」で詳しく紹介していますので、具体的に計画づくりを進める際に、あわせてご覧ください。

30. 健康を促進する社内チャレンジを行う

部署対抗のウォーキング企画など、ゲーム感覚で参加できる健康イベントを実施します。参加を強制せず、運動が難しい人にも配慮しながら、個人の健康データを適切に扱うことが必要です。楽しく続けられる工夫が、健康づくりと社内コミュニケーションのきっかけになります。

まとめ

サステナビリティの取り組みは、大きな投資や専門的な制度設計から始めなければならないものではありません。空調や照明の運用、紙やごみの削減、働く時間、会議の進め方、健康づくり、災害への備えなど、日々の業務の中にも多くの入口があります。

今回紹介した30の事例から、自社で実行できそうなものを一つ選び、まずは小さく試してみましょう。その結果を確認し、社内で共有することが、次の取り組みへ進むための成功体験になります。

株式会社波濤では、本記事で紹介した30項目を含む「サステナビリティアクションリスト120選」をご用意しています。部署別のアイデア出しや、自社の実行計画づくりのたたき台としてご活用ください。

他にも、サステナビリティ経営に関する「12個のお役立ち資料」を配布しています。現状の課題整理や今後の方針策定のヒントとして、ぜひご活用ください。

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