サステナビリティ研修を検討するとき、講師の実績やプログラムの内容から調べるケースがあります。しかし、研修目的が曖昧なまま、その選定から始めること自体が、研修を失敗させる原因になりかねません。
ほな社長だからこそ、最初に整理すべきなのは、「研修を通じて、誰にどのような変化を生みたいのか」です。
本記事では、サステナビリティ研修を社内浸透につなげるために、担当者が検討前に押さえておきたい設計の基本を解説します。
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担当者が知っておくべき前提知識

外部の研修会社を探すとき、多くの担当者が確認するのは、実績、料金、講師の質、要望への対応力などでしょう。いずれも必要な判断材料です。
ただし、これらは研修の目的が決まった後に確認する項目です。目的が曖昧なままでは、評判のよい研修を選んでも、自社が求める変化につながるとは限りません。
たとえば、研修会社から複数のパッケージを提示され、その中から自社に近いものを選ぶケースがあります。既製のプログラムは内容が整理されており、基礎知識を効率よく学ぶには有効です。一方で、自社の課題や研修後の行動まで踏まえて設計されていなければ、研修が一過性の学びにとどまり、実際の行動につながらない可能性があります。
だからこそサステナビリティ研修を検討する際は、プログラムや研修会社を探す前に、自社が実現したい状態を言語化することから始めましょう。
研修のゴールは「理解」か「行動」か
研修のゴールは、大きく「知識の理解」と「行動の変化」に分けて考えると整理しやすくなります。
| ゴールの性質 | 研修の目的 |
|---|---|
| 理解 | 全社員がサステナビリティの基礎知識を理解する |
| 理解 | 自社が取り組む必要性を理解する |
| 行動 | 自分の業務との接点を理解し、何に取り組むかを明確にする |
| 行動 | 中期経営計画と結びつけ、全部門で取り組みを進める |
ゴールが「理解」であれば、講義やeラーニングを中心とした設計でも目的を果たせる場合があります。一方、「行動」を求めるなら、知識を伝えるだけでは足りません。社員が自分の業務との接点を考える時間や、部署ごとに取り組みを決める場、研修後の実践を共有する仕組みまで必要です。
研修後に求めるものが違えば、プログラムも評価方法も変わります。満足度の高い研修を実施することと、社員の行動が変わることは同じではありません。担当者は、受講直後の反応だけでなく、その後にどのような状態をつくりたいのかを明確にしておく必要があります。
学びが社内に広がる仕組みをつくる

研修で得た学びを参加者だけにとどめず、社内へ広げていくには、「学ぶ」「気づく」「伝える」の循環をつくることが重要です。
1.学ぶ
最初に、サステナビリティの基礎、自社が取り組む理由、競合他社や取引先の動きなどを学びます。ここで大切なのは、一般的な知識だけで終わらせないことです。自社の事業や経営方針と結びつけて学ぶ機会を提供することで、社員が次の段階へ進むための土台を形成できます。
2.気づく
次に、学んだ内容と自分の仕事との接点を考える機会を設けます。
「自部署にはどのような関係があるのか」「いまの業務で変えられることは何か」を、対話やワークショップを通じて掘り下げます。講師から答えを与えるのでなく、社員自身が考えて、気づく場を設けることがポイントです。
3.伝える
研修やワークショップで得た気づきを、参加者だけのものにしないことも重要です。
参加者が同僚や別部署へ学びを伝える。実際に取り組んだ内容や結果を社内で共有する。こうした発信が、ほかの社員にとっての新しい「学ぶ」機会になります。
担当者が研修の検討前に整理したい4つの問い
もし、サステナビリティ研修を外部に相談する際は、少なくとも次の4点を社内で整理しておきましょう。
1.誰を対象にするのか
全社員、経営層、管理職、推進担当者など、対象によって必要な内容は異なります。全員へ同じプログラムを実施することが最適とは限りません。
2.研修後にどうなってほしいのか
基礎用語を説明できればよいのか、自分の業務との接点を考えてほしいのか、部署ごとのアクションまで決めてほしいのか。期待する状態を具体化します。
3.研修以外の施策も組み合わせる
対話会やワークショップ、実践事例の共有、社内発信など、目的の達成に必要な施策を幅広く検討します。そのうえで、研修にどのような役割を持たせるのかを整理しましょう。研修だけで解決しようとせず、ほかの施策と組み合わせることが大切です。
4.学びや実践をどこで共有するのか
参加者の気づきや研修後の行動を、誰に、どの場で伝えるのかを決めます。既存の会議や社内報など、すでにある仕組みも活用できます。
この4つが整理できると、研修会社へ相談する際も、自社が求める支援を具体的に伝えやすくなります。
研修会社の選び方
自社の目的が明確になったら、その目的に合う研修会社やプログラムを検討します。実績、料金、講師の質に加えて、次の点も確認するとよいでしょう。
・自社の目的や現状を丁寧に確認してくれるか
・既製のプログラムを当てはめるだけでなく、必要な調整ができるか
・知識提供だけでなく、対話やアウトプットまで設計できるか
・研修後の行動や社内共有についても相談できるか
研修が最適な手段であれば、目的に合った形で実施します。一方で、社内の対話や情報共有で進められる部分まで、すべて外部へ依頼する必要はありません。
大切なのは、研修を実施することではなく、社内にどのような変化を生むかです。その目的に合わせて、社内施策と外部支援を組み合わせることが、サステナビリティ研修を成果につなげる基本になります。
まとめ
サステナビリティ研修を成果につなげるには、研修内容や依頼先を検討する前に、「誰に、どのような変化を生みたいのか」を明確にする必要があります。
知識の理解がゴールなのか、業務や組織の行動を変えることがゴールなのかによって、必要なプログラムは異なります。行動まで求めるなら、研修を知識のインプットで終わらせず、「学ぶ・気づく・伝える」の循環まで設計しましょう。
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